孫:一応、 校長先生に直談判して。最初1年生に入って1週間で2年生に変えてくださいと。3日で2年生はいいから3年生に変えてくれ。で、また3日で3年生はいいか ら、大学行くから卒業させてくれと。それで卒業検定試験を受けたんです。そのときの試験に出てきた内容が大事で・・・。
田原:何ですか。
孫:「シビルウォー(the Civil War)はだいたい何年頃だったか?」で、ABCと選択があって。答えは「1860年代」ですが、シビルウォーって日本ではそういう単語を聞いたことがなかったんです。
page: 2
田原:ないですね。
孫:ね、日本の教科書では。考えてみたら日本の学校の教科書でいう「南北戦争」。

田原:あ、アメリカの南北戦争。
孫:南と北が戦いましたね。日本の教科書では・・・。
田原:奴隷制のある南と奴隷制に反対する北が戦った。
孫:そう。しかも日本では奴隷制度があるかないか、黒人差別をするかしないかが南北戦争だとずっと教わってきたけども、アメリカでは奴隷を解放するかしないかの戦争ではなくて、シビルウォーなんですね。
田原:どういうこと? シビルウォーって。
孫:つまり農業社会の枠組みの国家から工業社会の枠組みの国家にパラダイムシフトすると。
田原:そういうことなんですか。
孫:これがシビライゼーション、つまり文明開化。農耕社会から工業社会に切り替わるシビライゼーション、文明国家に変えると。従って国家の憲法、規制、教育、全部を切り替えると。
農耕社会でよしとした制度で—-つまり農耕社会では人手、安い労働者が必要だ。綿を摘むため、麦を植えるための安い労働力を手にするためにアフリカから連れてきて奴隷として使うという、低賃金労働者をいかに集めるかということを南部でやっていた。
でも北部の方はそうじゃないんだ、工業化社会だと産業革命だと進んでいた。農業を中心としたところに立脚したものではなくて・・・。
田原:頭を使わない労働力はいらない。
孫:そう。頭を使って機械を使って、産業革命が起きた。電気だ、自動車だとね。そういう産業革命に向かうための枠組みが必要だった。従って手作業の労働賃金を安くするための枠組みが重要じゃない。
田原:枠が変わると。
孫:ということがシビルウォーだということを、検定試験の会場で試験の問題を見て試験の最中に僕は初めて認識した。
白熱激論! 田原総一朗×孫正義「第3のパラダイム転換を迎えた日本」 電子教科書は日本を救うか 第1回 | 田原総一朗のニッポン大改革 | 現代ビジネス [講談社] (via jinon)(petapetaから)